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文科系アウトドア派のんびり遊楽人

Cricket

Criket


 映画館で映画を観た。

 「マジェスティック」

 新人の映画脚本家が事故により記憶喪失になり、知らない町で帰還兵の英雄と勘違いされたまま、町の人々と共に閉館中の映画館を蘇らせるストーリー。

 先が読みやすい展開だったが、「ニューシネマパラダイス」を思い出させる心暖まる映画。




 テレビで映画を見た。

 「イージーライダー」

 先週読んだ辻仁成の「函館物語」の中に著者が腕時計をしていない理由が書いてあった。

 学生時代にイージーライダーの主人公のピーターファンダが自由を求めて旅立つ前に、バイクにまたがり、腕時計を外して地面に放り投げたのを見てから・・・。

 この本を読んだ直後だったので、つい見てしまった。

 ドラマの最初にそのシーンはあった。



 僕がこの本を読んだのは偶然だったのか。

 最近、いろんな場面で偶然に出くわす事が多い。怖いことさえある。

 今回も本を読んだ翌日の新聞のテレビ欄に映画のタイトルを見つけた瞬間、首筋にスッとしびれるような信号が走る感覚を持った。



 腕時計が帰ってきた。

 ピーターフォンダは自由を求めて腕時計を捨てたが、社会に帰属して生きている僕には腕時計は必需品だ。


 職場用として愛用している腕時計は、「Cricket」。

 REVUE THOMMENの製品。


 2年前に休日出勤、残業の嵐で働き疲れて体の調子を崩したときに、頑張っていた自分に対するご褒美として手に入れたもの。

 クリケットとは「コオロギ」のこと。

 機械式のタイマーが付いていて、時間になるとけたたましく、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ・・・・、と鳴き始める。
電子音でない所が気に入っている。

 慣れないうちは、よく職場に置いている時に突然鳴り出し、周りから「セミが鳴いている」とからかわれていた。

 本当はコオロギなのじゃ。

 また、トルーマン、ニクソン、ブッシュ、クリントンなどの歴代アメリカ大統領が愛用していたという清楚でクラシカルな腕時計なのだ。
 もちろん僕のは廉価版。


 ムーブメントは手巻き式で、毎日巻かないと翌日には止まってしまう。

 主人が仕事を休んでいる日には時計の針も休息日を迎え、月曜日になると主人と一緒に働き出す。

 休みの日にも動いている時計よりも、人間らしいところに惚れ込んでいる。


 そんな時計も2年を過ぎたころ、アラームスイッチの調子が悪くなり、ついに先月修理に出した。

 1ヶ月の分解修理を終えたクリケットは明日からまた、僕と一緒に仕事に復帰する。

  
 おかえりなさい。






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